オフィスをレイアウトする時に基準となる寸法
オフィスレイアウトの中でも特にこだわりたい部分として、実際に社員が作業を行うデスクスペースが挙げられます。デスクの配置によって作業効率も違ってきますし、社内の雰囲気にも大きく影響します。
ここでは、デスクスペースを考える際に基準となる寸法や配置についてご紹介します。
また、会議室におけるレイアウトの寸法についても合わせてご紹介していきたいと思います。
フリーアドレスタイプなど3パターンに分けられるデスクスペース
デスクスペースのレイアウトは、社員1人につき1つのデスクを配置する「スタンダードタイプ」、共有のデスクを設置し空席を自由に使う「フリーアドレスタイプ」、背面を向かい合わせる「クリエイティブタイプ」の3つに大別され、業種や勤務体制によって最も適したタイプが選ばれます。
どのタイプを採用する場合にも、社員1人あたりの標準的なデスクスペースを意識してレイアウトすることが望まれます。
デスクスペースの標準寸法について
デスクの寸法は多少の違いはあるものの、概ね幅1,000〜1,400㎜、奥行600〜800㎜が一般的です。
デスク1台を設置するために必要なスペースは、デスクの寸法に椅子の寸法を加えただけでは不十分です。その寸法に、着座した社員が前後左右に動くためのスペースを加えます。
このようにして求められた1人あたりに必要最低限なデスクスペースを“ベーシック・モジュール”と言います。
ベーシック・モジュールの標準的な寸法は、幅1,200㎜、奥行1,350㎜〜1,600㎜とされています。十分なデスクスペースが確保されることにより、無理な姿勢を強いられることなく作業に集中することができます。
また、社員が適時必要な場所へスムーズに移動できるよう、デスクとデスクの間隔に配慮すべきでしょう。
デスクや椅子に接触することなく周囲を通行するためには、900㎜以上の間隔が必要です。
600㎜の間隔があれば何とか歩行できますが、450㎜まで狭まれば横歩きで進むのがやっとという状況になります。資料を持ってコピースペースまで移動するだけでもストレスを感じてしまうかもしれません。
会議室のテーブルレイアウトで基準となる寸法など
では、限られたスペースに比較的大勢の人が集まる会議室では、どのようにテーブルと椅子をレイアウトするのがよいでしょうか。
会議室では1つのテーブルを複数人で共有することが想定されますので、1人あたりの標準的なスペースを確保することは難しくなります。
来客者が参加する会議では、最低でも1人あたり800㎜〜1,000㎜の幅を確保するよう配置することが望ましいですが、社内会議や1時間程度の会議であれば、600㎜〜700㎜程度の幅で十分と言えます。
会議中にノートパソコンを使用する場合は、さらに100㎜程の余裕がないとタイピングに支障が出るかもしれません。
テーブルの設置方法としては、ロの字型やスクール型のスタイルが一般的ですが、スクール型のレイアウトを選んだ場合には、椅子の奥行き幅が非常に狭くなる恐れがあります。
900㎜程度の奥行き幅が確保されていれば余裕が感じられ、着座中に椅子の後ろ側をかろうじて通行することが可能です。
750㎜程度であれば起立や姿勢の変換をスムーズにおこなえますが、600㎜以下となると窮屈さを感じるようになります。
立ち上がる際に椅子が前後左右に接触したり、他人の手足を挟まないよう気をつけたりしながら慎重に行わなければならない幅と言えるでしょう。