快適なワークスペースとオフィスのゾーニング
オフィス全体のレイアウトを行う際、“ワークスペース”をオフィスの総面積に対してどの程度確保するかをあらかじめ数値化しておくことが大切です。
ワークスペースは“執務空間”とも呼ばれ、様々な事務作業や情報の収集と伝達、処理などを行う空間を指します。ワークスペースにはデスクやオフィス機器、収納などを用途別に効率よく配置します(ゾーニング)。
また、個人情報が扱われる場所でもありますので、来客者が出入りするスペースとは分けて考える必要があります。
オフィスのレイアウトは一度行ってしまうと変更が難しいものですので、基本的な考え方やゾーニングを行う際のチェックポイントを抑えておくことが大切です。
ワークスペースづくりの基本は社員数と”余白”
ワークスペースは、社員数に対し十分な面積が確保されているかどうかが重要です。
一般的にオフィスの総面積の50%から60%がワークスペースであることが理想とされています。
この面積が社員の人数に対して適切かどうかの確認も必要です。
社員1人あたり6㎡前後の面積が望ましいとされていますので、これに社員数を乗じた数を目安に比較検討します。
デスクやオフィス機器をレイアウトする際には、ワークスペース内の余白部分を意識することが大切です。余白部分とは、デスクやオフィス機器等の物品が設置されない場所を指します。
この“何も設置されない”余白部分は、ワークスペースの65%以上が標準とされています。これ以下となった場合は社員が「狭い」と感じる傾向が強くなり、業務に支障をきたすことも考えられます。
限られたスペースのなかで65%以上の余白部分を作ることは難しいかもしれませんが、省スペースに対応した収納庫や可動式のラックをうまく利用して、快適なワークスペースづくりを目指していきましょう。
ゾーニングを行う際のチェックポイント
オフィス全体のゾーニングを考える際、「来客者用と社内用のスペースを明確に区別する」ことが重要なチェックポイントになります。
まずは社員のみが行き来することができるワークスペース、受付や応接室など来客者専用のスペース、会議室など来客者と社員が共に使用できるスペースの3つに区切りましょう。
これは個人情報について適切な保護を行う事業所として認められたことを示す「プライバシーマーク」を取得する条件となっていますし、外部からの信頼を得るためにも欠かすことができません。
また、オフィス内での動線を意識しながらゾーニングを行うことが大切です。
頻繁に社員が利用する場所はレイアウトを大きく割り当てる必要がありますし、精密な作業を行う場所と隣接させないよう配慮が必要です。
応接室まで来客者を誘導する際、給湯室が見えるようなレイアウトでは悪い印象をもたれてしまうかもしれません。
業務の効率化だけでなく、利用する人や立場をイメージしながらゾーニングを行っていきましょう。