オフィスのセキュリティを改善するレイアウトのポイント
オフィスに侵入し金品を盗み取る“事務所荒らし”。換金しやすいパソコン・オフィス機器や個人の貴重品が持ち去られる被害は後を絶ちません。
夜間や休日を狙った犯行だけでなく、白昼堂々オフィスに侵入されるケースも少なくありません。近年では、パソコンやコピー機などに保存されている重要情報を狙った新たな犯行も増えていますので、「現金は保管していないから大丈夫」と軽視することはできません。
電話や会話の内容が盗聴されている危険性もあります。情報の流失は企業の信頼にも関わる問題ですので決して油断できません。被害を未然に防ぐには、既存のセキュリティシステムに頼るだけではなく、社員一人一人の防犯意識とオフィスのレイアウトを工夫することが重要です。
入退出の記録で不審な侵入を徹底ガード
不審な侵入を防ぐには、いつ・誰が・どこで入退出したのかを記録するルールをつくり、運用していくことが大切です。また、それらの履歴が誰もが常に閲覧できることにより、許可された者が、許可された場所にのみ入室しているかどうかを確認できます。
「見慣れない人がオフィスを歩いていたけれど、どこに用事があるのだろう」「いま社長室に向かっていった人、一体誰?」…そんな時、入退出記録があれば不審者なのかどうかをすぐに判断できます。
比較的小規模のオフィスであれば、手書きの入退出記録でも管理が可能かもしれませんが、人の出入りが激しい中〜大規模のオフィスでは限界があります。
そこで最近普及し始めているのが“セキュリティーゲート”です。ICカードを持った者のみがゲートを通過できますので、ゲートから先は不審者の侵入を遮断することができます。
また、入退出を確実に記録できるだけではなく、オフィス内のどこに、誰がいるかをリアルタイムに把握できます。危険物の持ち込みを判別する機能を備えたセキュリティーゲートも市販されており、オフィス内のセキュリティレベルに応じた配備も可能です。
重要情報の流出はオフィスレイアウトの工夫で防げる
オフィスの出入り口から丸見えのパソコンモニター、デスクの上に雑然と重ねられた資料、もしひとつでも思い当たる節があれば、重要な情報がいつの間にか盗まれているかもしれません。情報の流失は企業にとって大きな損害となります。特に個人情報の流失は賠償や訴訟などの大きな問題に発展する可能性がありますので、慎重に管理しなければなりません。
重要な情報がいつの間にか流出していたといった事態を作らない為に、オフィスのレイアウトにも気をつけておきたいポイントがあります。
まずは、来客用スペースと社員用スペースを明確に分け、動線を区分けするゾーニングが重要です。
ゾーニングをきちんと行う事で、「あの人は誰?」といった状態を作らずに済み、前述の入退室記録と組み合わせる事で、社内のセキュリティレベルを一定に保つ事ができます。
また、オフィス内も背の低いパーテーションで区切るなど、オフィス内に死角を作らないような工夫をしておきましょう。
その他にも、重要書類を机に出しっぱなしにしないよう、きちんと保管エリアを用意する事も重要です。
社外からの侵入者に備えるだけでなく、社内の防犯意識を高めるようにしましょう。